FXとはなにか

デルタ関数とその性質

デルタ関数とその性質
微分積分学(大学)

ディラックのデルタ関数 $\delta (x)$ に普通の関数が入力されているときのふるまい

公式(a) \begin \displaystyle \delta \left((x-a)(x-b) \right)=\frac <|a-b|>[\delta (x-a)+\delta(x-b)] ,a \neq b \end 公式(b) 方程式 f(x) = 0 に対して n 個の解 $x_1, x_2, \cdots, x_n$ をもち,それぞれの点で微分係数が $f'(x_i)\neq0$ である実数値関数 f(x) に対し, \begin \displaystyle \delta[f(x)] = \sum_^n \frac <|f'(x_i)|>\delta(x-x_i) \end

公式(a)の証明

ç·å g ç·å g: ç·å [A, B]

(x-a)(x-b) デルタ関数とその性質 text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â

(x-a)(x-b) text5 = â(x-a)(x-b)â 図1 二次関数のイメージ.
x 軸と x=a,x=b で交わっていて,その中点 (a+b)/2 で積分領域を分割する.

良い性質をもつ実数値関数 $\varphi(x)$ に対し,$\int_<-\infty>^ <\infty>\varphi(x) \delta \left((x-a)(x-b) \right) dx$ を計算する.

以下のように積分領域を分割する. \begin \int_<-\infty>^ <\infty>\varphi(x) \delta \left((x-a)(x-b) \right) dx=\left(\int_<-\infty>^> +\int_>^ <\infty>\right)\varphi(x) \delta \left((x-a)(x-b) \right) dx \end

ここで t = (x-a)(x-b) すなわち $x= \frac \pm \sqrt+t>$ と置く.$dx = \pm dt/\sqrt$ である.積分領域ごとに適した符号で置換する.

\[\int_<-\infty>^ <\infty>\varphi(x) \delta \left((x-a)(x-b) \right) dx= \frac [\varphi(デルタ関数とその性質 a)+ \varphi(b)] \]

公式(b)の証明

まずは式(2)の左辺のふるまいを調べよう.良い性質をもつ実数値関数 $\varphi(x)$ に対し,$\int_<-\infty>^ <\infty>\varphi(x) \delta [f(x)]dx$ の計算をする.図2に簡単なイメージを示す.

図2 f(x) = 0 のイメージ
$x$ 軸と $x=x_i$ で交わっていて,隣り合った交点との中点 $(x_+x_i)/2$ で積分領域を分割する.

この積分領域の分割の仕方により,f(x) = 0 の解 $x_i$ が各積分領域にそれぞれ一つづつ存在している.その近傍において f(x) を一次近似する.

公式(b)の証明では f(x) の1次近似を用いていてその精度が気になるところだが,これ以上の議論はよくわからないのでこの問題は残したままとなった. 公式(b)を用いて,公式(a)(こちらは厳密に成り立つ)も導かれるので,まあいいのかもしれない(?).詳しく解析学を勉強してみたいと思った.

超関数・フーリエ変換入門 基礎から偏微分方程式への応用まで 9784781999487

超関数・フーリエ変換入門 基礎から偏微分方程式への応用まで 9784781999487

Table of contents :
始めに. Page 2
1.1 フーリエの反転公式. Page 9
1.2 基本的性質. Page 15
1.3 急減少関数. Page デルタ関数とその性質 19
1.4 熱方程式. Page 22
1.5 L2 でのフーリエ変換. Page 24
2.1 コーシーの積分公式とフーリエ変換. Page 26
2.2 整関数に対するペーリー・ウィーナーの定理. Page 29
2.3 ハーディ空間. Page 31
2.4 上半平面におけるペーリー・ウィーナーの定理. Page 35
3.1 定義と簡単な例. Page 37
3.2 超関数の微分. Page 40
3.3 超関数と微分方程式. Page デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 44
3.4 超関数の収束. Page 46
3.5 超関数のフーリエ変換. Page 47
3.6 斉次超関数. Page 49
4.1 多重指数とテイラー展開. Page 54
4.2 曲面上の積分. Page 56
4.3 多変数の超関数の定義. Page 63
4.4 超関数の例. Page 64
4.5 多変数のフーリエ変換. Page 66
5.1 斉次超関数. Page 76
5.2 基本解. Page 87
5.3 ポアッソン方程式. Page 93
5.4 ヘルムホルツ方程式. Page 94
5.5 ソボレフ空間. Page 98
5.6 楕円型方程式の解の正則性. Page 102
5.7 コーシー・リーマン作用素の基本解. Page 104
6.1 ガウス型関数のフーリエ変換. Page 106
6.2 モースの補題. Page 108
6.3 漸近展開. Page 112
6.4 曲面上の幾何学の初歩. Page 113
6.5 曲面上での定常位相の方法. Page 120
7.1 基本解. Page 124
7.2 有限伝播性. Page 128
7.3 双曲型方程式. Page 129
7.4 波の伝播. Page 131
7.5 特異台と波面集合. Page 135
A.1 ヘルダー・ミンコフスキーの不等式. Page 143
A.2 フリードリックスの軟化子. Page 145
A.3 ヒルベルト空間. Page 147
A.4 関数解析の基礎概念. Page 149
A.5 1次元ソボレフ空間. Page 152
参考文献. Page 156
索引. Page 158

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始めに デルタ関数に初めて出会うのは物理か電磁気学の講義においてであろう.実際,自然科学の中にデ ルタ関数が登場したのもこれらの分野を通じてであった.1893 年に工学者のヘビサイド (Heaviside) は Symbolic calculus の名で解析学に関連した代数的演算を導入したが,その中にデルタ関数が既 に含まれていた.しかし計算結果は正しいのだがその根拠は不可思議なものに思われ,ヘビサイド の考え方は (少なくとも数学者には)当時は認められなかったようである.1927 年にディラック

(Dirac) は著書「量子力学」の中でデルタ関数とその演算を導入し,それが量子力学の数学的計算 の中で極めて有用であることを立証した.彼自身それは普通の関数ではなく,広い意味の関数であ ることを認識している.さらに「量子論で広い意味の関数が現れるときはいつでも結局は何か積分 される関数の中で用いられるものとなっている.それゆえ理論を書き改めて,広い意味の関数は始 めから終りまで積分される関数の中だけにしか現れないような形とすることも可能なはずである」 と述べている.しかしその数学的背景は依然として未知であった. ローラン・シュワルツ (Laurent Schwartz) が超関数 (Distribution) の概念に至ったのは 1944 年から 45 年のことらしい.線形汎関数として関数概念を拡張するというアイディアはディラック の考え方に符合するものがある.シュワルツ自身の考察は,応用の観点よりはむしろ伝統的な解析 学の基本問題,微分方程式と微分不可能な解,関数の積分表示と微分可能性,たたみこみ等の問題 から関数概念の一般化へと進んできたようである.1951 年に出版された本「超函数の理論」はほ ぼ完成した全体系であるが,その中にはデルタ関数とそのフーリエ変換が平易な形でとりこまれて おり,ここにデルタ関数は数学の中で完全な市民権を得ることになった.超関数は 1950 年代から

1980 年代にかけて線形偏微分方程式研究の大きな流れの源となった.その中で生まれた種々の概念 はその後の非線形偏微分方程式研究の中にも活用されている.解析学の基礎として微積分,微分方 程式,関数解析の初歩等が挙げられるが,超関数論は基礎のうちの高度な部分として今後も重要性 を失わないと思われる.特にデルタ関数とそのフーリエ変換とは数学の基本的概念として今後も引 き継がれていくことであろう. 超関数が偏微分方程式を考える基礎的道具となったのは次のような事情による.一般に微分方程 式の解を具体的に書き下すことは大変に難しく多くの場合,逐次近似的な手法をとる.要するに近 似解の列の極限として解を構成するのであるが,常微分方程式の場合には極限として得られた関数 が十分な微分可能性を持っていることが容易に分かり,解であることを確かめるのに問題は起こら ない.しかし偏微分方程式の場合には関数解析的な手法をとることが多く,無限次元の関数空間の 中で解の構成を行うことになる.このとき,近似列の極限として得られた関数が必要な微分可能性 を持つかどうかは最初は分からないこともある.そのような場合でも得られた関数は,考えている 方程式に性質の良い関数をかけて部分積分した形の方程式を満たしていることが分かる.このよう

なものを微分方程式の弱解と呼ぶ.弱解の概念は 1930 年代から登場していたのであるが,超関数 論はこの弱解を微分方程式の基本概念として定着させた.実際,例えば波の伝播のような問題にお いては微分可能性を持たない弱解も物理的状況に対応した現実のものであり,超関数論はそれらを 数学的に正当に論ずることを可能にしたのである. ここで強調しなくてはならないのは,超関数論が誕生したからといって古典的な解析学の手法が 無用になったというのでは決してない,ということである.微積分,複素関数論,フーリエ解析と そこに現れる古典的な例が解析学の基本手段であることに変わりはない.超関数論は一見孤立して 現れるこれらの例を共通に理解する基盤を与え,計算を容易にして扱い易いものに変えたのである. 本書はこの超関数とフーリエ変換の理論の入門的解説を目指すものである.大学の数学科 4 年か ら大学院前期課程のレベルを念頭におき,解析学の高度な基礎としての観点からルベーグ積分論の すぐ後で学べるような述べ方を心掛けた.特に例をたくさん挙げるように努めたが,これらの例は 単なる計算練習ではなしに実際の問題に現れるものであり,これを詳しく説明することに主な目標 を置いた.従って超関数論のもう一つの背景である位相ベクトル空間の議論は最低限にとどめた. 内容は以下のとおりである.目次で ∗ をつけたところは初学の段階ではとばして読む方がよい. まず第 1 章で 1 変数の可積分関数のフーリエ変換の理論を学ぶ.急減少関数に対するフーリエ変換 が主な目標である.同時にルベーグ積分の使い方の復習も行う.学部段階ではここまでが目標であ ろう.第 2 章は複素関数論に関連したフーリエ変換の話題を扱う.ここは意欲的な読者のためのも ので初学の段階ではすぐに第 3 章に向かうのがよいであろう.第 3 章では 1 変数の超関数とその フーリエ変換を学ぶ.シュワルツによる緩増加超関数のフーリエ変換が主な目標である.種々の例 を挙げたが,これらはすべて基本的で重要なものである.第 4 章ではまず多変数の微積分,特にベ クトル解析を復習する.多重指数を用いることによって多変数の微積分学を 1 変数の場合と同様の 簡単な式で表示できるので,この章の内容は是非身につけておくべきである.次に多変数の超関数 とそのフーリエ変換を扱う.ここまでが解析学を志望する大学院生の(あるいは意欲的な学部学生 の)基礎知識であろう.それ以後は偏微分方程式への応用を述べた.第 5 章は楕円型方程式の最も 基本的な例であるラプラス方程式,ヘルムホルツ方程式を扱う.第 6 章で扱う定常位相の方法はパ ラメータを含む積分を近似するための強力な手段であり,深い漸近解析を必要とする場面で極めて 有効であるから是非修得しておく方がよい.第 7 章では波動方程式の基礎を扱う.ここはいわゆる 超局所解析の入門でもある. 解析学の高度な基礎という位置付けから微積分学と複素関数論のみを仮定し,関数解析学の知識 はその都度説明した.フーリエ解析を学ぶ上でルベーグ積分論は本来,必須の知識であるが,初め て学ぶ読者,あるいは応用を主眼とする読者を考慮して測度論的考察には立ち入らないように努め た.具体例を計算するには連続関数に関する積分の知識で十分である.むしろルベーグ積分論の使 い方を学ぶという気持ちになる方がよい.基本的には次のような事柄を心にとめておけばよい.本 書では Rn 上のルベーグ測度のみを考える. ・直線上の可測集合とは長さ(大きさ)が測れるような集合のことである.例えば開集合,閉集 合は可測である.可測集合 E の測度を μ(E) と書く.これは 0 以上の数である.μ(E) = ∞ となることもある.E が 2 点 デルタ関数とその性質 a, b (a ≤ b) を端点とする区間なら μ(E) = b − a である.測度 ii 始めに

 ∞  ∪ En ≤ μ(En ) である.Ei ∪ Ej = ∅ n=1 n=1 n=1  ∞ ∞  がすべての i = j に対して成り立つときは μ ∪ En = μ(En ) である.E が可測なら E ∞

・E1 , E2 , · · · が可測なら ∪ En も可測であり,μ

の補集合 E c も可測である.

・集合 E の特性関数 χE (x) とは χE (x) = 1 (x ∈ E),χE (x) = 0 (x ∈ E) を満たす関数 χE (x) のことである.

が成り立つ.区間の特性関数の 1 次結合を階段関数という. ・可測集合や可測関数の正確な定義は与えないが通常思いつく集合や関数はすべて可測と思って よい.本書では以後,可測な集合や関数のみを考えることとし可測という言葉を省略する.関 数 f (x) が E 上で可積分とは |f (x)| の E 上での積分が有限になることである.  ・p を 1 ≤ p C) = C> とおくとき

で定義される.ここで μ デルタ関数とその性質 は Rn 上のルベーグ測度である.より簡略に f p と書くことも多 い.特に p = 1 の場合が Ω 上で可積分な関数全体である.次の不等式はよく用いられる.

|f (x)g(x)| dx ≤ f p g q , Ω

f + g p ≤ f p + g p ,

任意の  > 0 と f (x) ∈ Lp (I) に対して,ある階段関数 g(x) が存在し f − g p 0 のとき ∞ π − x2 ix·ξ −tξ 2 e 4t . e e dξ = t −∞

証明 eix·ξ をテイラー (Taylor) 展開し,積分と無限和を交換する.奇関数を

R1 上で積分すれば 0 になることに注意すると  ∞  ∞ (ix)2n ∞ 2n −tξ2 ix·ξ −tξ 2 e e dξ = ξ e dξ (2n)! −∞ −∞ n=0

∞ (−x2 )n −n−1/2 t Γ (n + 1/2) (2n)! n=0

 1 (2n)! √ π Γ n+ = 2n 2 2 n! を使えば補題が得られる.  上の補題で行った積分と無限和の交換を保証しよう.ルベーグ積分論におい て基本になるのは,正値単調増加関数列に対しては極限と積分の順序交換が自 由に行えることである. 定理 1.1.2(ベッポ・レビ (Beppo-Levi) の定理) I を区間とし,fn (x) ∈

L1 (I), n = 1, 2, · · · は I 上で 0 デルタ関数とその性質 ≤ f1 (x) ≤ f2 (x) ≤ · · · ≤ fn (x) ≤ · · · ,

(1) 左辺が有限な値に収束するならば f (x) = lim fn (x) は I 上殆どいたる n→∞

ところ収束し,f (x) ∈ L1 (I) であって,上の等式が成り立つ.

(2) デルタ関数とその性質 f (x) = lim fn (x) が I 上殆どいたるところ収束し,f (x) ∈ L1 (I) なら n→∞

ば,上の等式の左辺は収束し,かつ等号が成り立つ. この定理を無限和に対して言い換えると次のようになる. 定理 1.1.3

I を区間とし,fn (x) ∈ L1 (I), n = 1, 2, · · · は I 上で fn (x) デルタ関数とその性質 ≥ 0

a.e. を満たすとする.このとき  ∞ ∞  fn (x)dx = fn (x)dx n=1

(1) 左辺が有限な値に収束するならば f (x) = 1

fn (x) は I 上殆どいたると

ころ収束し,f (x) ∈ L (I) であって,上の等式が成り立つ.

fn (x) が I 上殆どいたるところ収束し,f (x) デルタ関数とその性質 ∈ L1 (I) なら

ば,上の等式の左辺は収束し,かつ等号が成り立つ. 関数の正値性がないときには次のような定理になる. 1 定理 1.1.4  (項別積分の定理) I を区間とし,fn (x) ∈ L (I), n = 1, 2, · · ·

という関数を考えよう.これは熱核 (heat kernel) とも呼ばれる重要な関数で ある.次の式が成り立つことに注意しよう.

図 1.1 は熱核の概形を図示したものである. 補題 1.1.9

1 ≤ p 0 に対して δ > 0 が存 1.1 フーリエの反転公式 5

sup |y| δ の 2 つの範囲に分ければ,

となる.右辺第 1 項は  でおさえられる.右辺第 2 項は y 2 = 4tz とおけば

1 Ut (y)dy = √ π |y|>δ

となり,t → 0 デルタ関数とその性質 のとき 0 となることが分かる. 

1.1.3 反転公式の証明 登場が遅れたが,ルベーグ積分論の中の最も基本的な定理は次の定理である. 定理 1.1.10(ルベーグの収束定理) I を区間とし fn (x) ∈ L1 (I), n =

1, 2, · · · はある f (x) に I 上殆どいたるところ収束するものとする.|fn (x)| ≤ F (x) a.e. がすべての n に対して成り立つような F (x) ∈ L1 (I) が存在するな らば

f (x) ∈ L1 (R) かつ f (ξ) ∈ L1 (R) なら  ∞ f (x) = (2π)−1/2 eix·ξ f (ξ)dξ.

2 eix·ξ e−tξ デルタ関数とその性質 f (ξ)dξ

を考える.右辺にフーリエ変換の定義 (1.1) を代入すれば

である.|ei(x−y)ξ−tξ f (y)| = e−tξ |f (y)| を y に関して R1 上で積分すれば 2

e−tξ f 1 であり,これはさらに ξ に関して R1 上で積分可能である.よって 定理 1.1.7 によって累次積分を行うことができ,補題 1.1.1 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 を用いれば

6 第 1 章 可積分関数のフーリエ変換

  ∞  ∞ 2 ft (x) = (2π)−1 ei(x−y)ξ−tξ dξ f (y)dy −∞ −∞  ∞ = Ut (x − y)f (y)dy −∞

ft (x) − f (x) dx = 0

2 2 である.一方 eix·ξ e−tξ f (ξ) → eix·ξ f (ξ) であり,また eix·ξ e−tξ f (ξ) ≤

f (ξ)| ∈ L1 (R) である.よって定理 1.1.10 により各点収束の意味で  ∞ lim ft (x) デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 = (2π)−1/2 eix·ξ f (ξ)dξ (1.7) t→0

である.(1.6) からは ft (x) が f (x) に各点収束することは一般には従わない のだが,適当な部分列 t1 > t2 > · · · → 0 をとれば ftn (x) が f (x) に殆どいた デルタ関数とその性質 るところ収束することが分かる.これもルベーグ積分の基本知識である.以上 によって定理が示された.  系 1.1.12

f (x) ∈ L1 (R) のフーリエ変換が恒等的に 0 ならば f も 0 である.

定理 1.1.11 の証明中で使った事実を定理として述べよう.次の定理も基本知 識である. 定理 1.1.13

1 ≤ p 0 に対して,ある階段関数 g(x) が存在し

f − g 1 デルタ関数とその性質 0 は任意にとれるから lim f (ξ) = 0 |ξ|→∞

f (x) の微分可能性が高くなれば f (ξ) の無限遠点での減少度は増し,f (x) の 無限遠点での減少度が増せば f (ξ) の微分可能性は高くなる.それを示すのに 2 つ準備が必要である. 補題 1.2.4 証明

f (x) ∈ L1 ((0, ∞)) なら lim inf x|f (x)デルタ関数とその性質 | = 0. x→∞

lim inf x|f (x)| ≥ 2C0 > 0 なら R > 0 が存在し,x > R において x→∞

x|f (x)| > C0 である.これは f (x) ∈ L1 ((0, ∞)) に反する.  定理 1.2.5(積分記号下での微分) I を任意の区間,J = (a, b) を開区間とし

I × J 上で定義された f (x, t) は (a) 任意の t ∈ J を固定するごとに f (x, t) ∈ L1 (I), (b) 任意の x ∈ I を固定するごとに f (x, t) デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 ∈ C 1 (J), (c) I 上で可積分な関数 G(x) が存在して

が成り立つとする.ただし ∂t = ∂/∂t である.このとき F (t) = は J 上で 1 回連続的微分可能であり

8 第 1 章 可積分関数のフーリエ変換

f (x) ∈ C n (R) が f (k) (x) ∈ デルタ関数とその性質 L1 (R), 0 ≤ k ≤ n を満たせばある

定数 C > 0 に対して f (ξ) ≤ C(1 + |ξ|)−n が成り立つ. 定理 1.2.6

  b e−ix·ξ f  (x)dx = e−ix·ξ f (x) デルタ関数とその性質 + iξ a

である.補題 1.2.4 によりある点列 a1 > a2 > · · · → −∞, b1 1 の場合に示す.p = 1 の場合も同様なのだがもっと簡単である.

1 1 + = 1 によって q を定義する.|f (x − y)| = |f (x − y)|1/q |f (x − y)|1/p p q とすればヘルダーの不等式によって

であるから(p = 1 の場合は右辺第 1 項を 1 とする),f (x) が有界であること より f ∗ g を定義する積分は絶対収束している.両辺を p 乗して積分する.右 辺では x に関して先に積分すれば

  |g(y)|p |f (x − y)|dx dy  1+p/q = f 1 |g(y)|p dy p/q

となり,x で先に積分し,次に y で積分したものは絶対収束している.よって フビニの定理により積分順序を変更することができて,上の計算は正当化され 1+p/q

f (x) が有界でない場合に上の計算を見直してみる.積分    p |g(y)| |f (x − y)|dx dy は収束するから,フビニの定理により y に関して先に積分してよい.従って特  デルタ関数とその性質 に a.e. x に対して積分

|f (x − y)||g(y)|p dy は収束している.すると上で述

となる.よって左辺の積分は有限な値となるから,f ∗ g を定義する積分 (1.12) 10 第 1 章 可積分関数のフーリエ変換

は殆どいたるところの x に対して絶対収束し有限な値となっている.このこと を考慮して上の証明を読み返せば,補題は f (x) ∈ L1 (R) という仮定の下で成 り立っている.  定理 1.デルタ関数とその性質 2.9

f (x), g(x) ∈ L1 (R) のとき

√ f ∗ g (ξ) = 2π f (ξ) · g (ξ).

e−i(x−y)·ξ e−iy·ξ f (x − y)g(y)dxdy    −iy·ξ −i(x−y)·ξ = e g(y) e f (x − y)dx dy     e−ix·ξ f (x)dx = e−iy·ξ g(y)dy

f, g, g ∈ L1 (R) のとき  ∞ e−ix·ξ f (x)デルタ関数とその性質 g(x)dx = f (ξ − η)

証明 g に対してフーリエの反転公式が成り立つから g(x) は有界連続である ことに注意する.このときフビニの定理と反転公式によって

e f (x)dx g (η)dη    ∞ 1 −ix·ξ ix·η e f (x) √ e g (η)dη dx 2π −∞ −∞

1.3 急減少関数 R1 上で可積分な関数のフーリエ変換は必ずしも R1 上で可積分ではない. 例えば有界な区間の特性関数のフーリエ変換は R1 上可積分ではない.実際, 例 1.2.1 を見れば次の補題を示せばよい.

証明 N > 0 を大きくとれば

N  (n+3/4)π | sin x| | sin x| dx ≥ dx x x n=1 (デルタ関数とその性質 n+1/4)π

 (n+3/4)π N 1 1 √ dx x 2 (n+1/4)π n=1

N 1 1 + 3/(4n) =√ log 1 + 1/(4n) 2 n=1

     3 1 1 1+ 1− +O 4n 4n n2   1 1 =1+ +O 2n n2

であり,log(1 + x) = x + O(x2 ) であるから

  N  1 1 + 3/(4n) 1 = +O log →∞ 2 1 + 1/(4n) 2n n n=1 n=1 N

となる.  ローラン・シュワルツ (Laurent Schwartz) はフーリエ変換に関して不変で, かつフーリエ変換に伴う演算が自由に行え,しかもこのような性質を持つ最小 と思われる関数空間を提唱した.これは急減少関数の空間,あるいは Schwartz’

space of rapidly decreasing functions とも呼ばれ,後に導入する超関数のフー リエ変換のための重要な基礎である. 定義 1.3.2(急減少関数の空間) S(R1 ) とは任意の m, N > 0 に対して定数

が成り立つような ϕ(x) ∈ デルタ関数とその性質 C ∞ (R) 全体である. 2

例えば e−x ∈ S(R1 ) である.S(R1 ) ⊂ Lp (R), 1 ≤ p 0 に対して ϕ(n) (x) ∈ S(R1 ),

(1 + x2 )n ϕ(x) ∈ S(R1 ) である. 急減少関数空間での収束は次のように定義する.

pn (デルタ関数とその性質 ϕ) = sup (1 + |x|2 )n x∈R

S(R1 ) ⇐⇒ lim pn (ϕj − ϕ) = 0, j→∞

と定義する.pn はセミノルム (semi-norm) と呼ばれるもので 12 第 1 章 可積分関数のフーリエ変換

0 ≤ pn (aϕ + bψ) ≤ |a|pn (ϕ) + |b|pn (デルタ関数とその性質 ψ),

という性質を持っている. 定理 1.3.4

S(R1 ) は次の意味で完備である. が S(R1 ) でのコーシー

(Cauchy) 列,即ち lim pn (ϕj − ϕk ) = 0,

ならば,ある ϕ ∈ (R1 ) が唯 1 つ存在し,ϕj → ϕ in S(R1 ) が成り立つ. 証明

p0 (ϕ − ϕk ) = supx∈R1 |ϕj (x) − ϕk (x)| → 0 であるから, は R1

上一様収束している.よって ϕ(x) ∈ C(R) が存在し,p0 (ϕj − ϕ) → 0 であ (n)

る.|ϕj (x) − ϕk (x)| ≤ pn (ϕj デルタ関数とその性質 − ϕk ) → 0 であるから,ϕj のすべての導関 (n)

数も一様収束している.よって ϕ ∈ C ∞ (R) であり,ϕj (x) は ϕ(n) (x) に一 様収束している. n を 1 つ固定する.任意の  > 0 に対して N > 0 が存在 し,j, k > N のとき

ϕj (x) − ϕk (x) ≤  r=0

がすべての x ∈ R に対して成り立つ.ここで k → ∞ とすれば n

ϕj (x) − ϕ(r) (x) ≤  2 n

であるから pn (ϕj − ϕ) ≤ , ∀j > N . これは定義により ϕj → ϕ in S(R1 ) を 意味する. 

C0∞ (R1 ) は R1 の中で有界な台を持ち,無限回微分可能な関数全体とする. C0∞ (R1 ) ⊂ S(R1 ) ⊂ Lp (R1 ) であり,C0∞ (R1 ) は Lp (R1 ) の中で稠密であ るから(このことはよく知られているが念のため補遺 A.2 で説明する),次の 定理は直ちに分かる. 定理 1.3.5

S(R1 ) は Lp (R1 ) (1 0 に対して ϕ ∈ S(R1 ) が存在し f − ϕ Lp (R1 ) 0),

を満たす.ただし本来は物質の線密度,比熱,熱伝導度などの物理的定数を含 んでいるのであるが,簡単のためにこれらの定数を 1 とした.気体や液体の中 を拡散する物質の濃度も同じ方程式に従う.そのため,(1.19) は熱方程式,あ 14 第 1 章 可積分関数のフーリエ変換

イプシロンデルタ論法をわかりやすく丁寧に~関数の極限の定義~

イプシロンデルタ論法をわかりやすく丁寧に~関数の極限の定義~

微分積分学(大学)

大学数学の微分積分学での最初の関門といえば,主に数列の極限を定義する \varepsilon\textN 論法や,主に関数の極限を定義する \varepsilon\text\delta 論法でしょう。今回はそのうちの デルタ関数とその性質 \varepsilon\text\delta 論法について 時間をかけて解説 していきます。ゆっくりと読み進めていきましょう。

数列の極限を定義するイプシロンエヌ論法は以下の記事で解説しています。両方読むことで,より理解が深まるでしょう。

ε-δ論法~関数の極限と連続の定義~

まずは \varepsilon\text\delta 論法による定義を2つ確認しましょう。

関数の極限の定義

関数の定義域は,簡単のため \mathbb とすることにしましょう。実際には a の近くで定義されていれば問題ありません。

定義(関数の極限)

f\colon \mathbb \to \mathbb, \, a\in \mathbb とする。このとき,

\lim_ f(x) = b, \quad f(x) \longrightarrow b \,\, (x\to a)

または f(x) が x \to a のとき b に 収束する (converge) とは,

任意の \boldsymbol 0> に対して,ある \boldsymbol < \delta >0> が存在して,

が成立することをいう。このときの b を x\to a としたときの f の 極限 (limit) または 極限値 (limit value) という。

\color\begin&\forall \varepsilon>0 ,\exists \delta>0, \\ &0

とにかく難しいと思います。 \varepsilon\text N 論法と同様に,すぐに理解できる人はなかなかいないでしょう。数学者でも,最初は難しいと思ったに違いありません。自分もかなり苦戦しました。徐々に慣れていきましょう。

関数の連続の定義

定義(関数の連続)

f\colon \mathbb \to \mathbb, \, a\in \mathbb とする。このとき,

\lim_ f(x) = f(a), \quad f(x) \longrightarrow f(a) \,\, (x\to a)

任意の \boldsymbol 0> に対して,ある \boldsymbol < \delta >0> が存在して,

が成立することをいう。また,このとき f は x = a で 連続 (continuous) であるという。

ε-δ論法の言葉の意味と「お気持ち」

ε-δ論法の言葉の意味

\varepsilon\text\delta 論法(連続)

任意の \varepsilon > 0 に対してある \delta > 0 が存在し て,

ことば意味
任意の~全ての,どんな~でも
~に対して,~に応じて,~に 依存 して
ある~が存在して少なくとも一つ~を取ってこれる

「任意の」「存在」の2つはもちろん大切ですが,見落としなのが「~に対して」の部分で,これは「~に依存して」という意味です。今回の場合, \delta>0 の取り方は \varepsilon > 0 に依存している, \varepsilon>0 に応じて変わってもよい ということです。

なお,「ある~が存在して〇〇〇」という語順は,日本語では不自然ですが,英語の “There exists ~ such that デルタ関数とその性質 〇〇” に合わせたもので,「〇〇〇をみたす~が存在する」と同じ意味です。

どんなにテキトー な \varepsilon > 0 を取ってきても, それに応じて適切な \delta > 0 があって,

ε-δ論法の「お気持ち」

\varepsilon\text\delta 論法(連続)

任意の \varepsilon > 0 に対してある \delta > 0 が存在し て,

さて最初に「任意の \varepsilon > 0 に対して」とあるので,まずはテキトーに \varepsilon > 0 を取ってみましょう。

イプシロンデルタ論法のイメージ1

さて, \varepsilon > 0 は任意でしたから,もっと小さく取り直して みましょう。
すると,「これに応じて適切な」 \delta が再び存在します。このとき, |f(x)-f(a)| < \varepsilon の条件が「強くなった」分, \delta も必然的に小さくなる ことが分かるでしょう。

イプシロンデルタ論法のイメージ2

さらに \varepsilon > 0 をもっと小さくとって みましょう。再び「これに応じて」 \delta は小さく なり,図で描くと以下のようなイメージになります。

イプシロンデルタ論法のイメージその3

\delta> 0 が小さくなる \iff \varepsilon > 0 が小さくなる

|x-a| < \delta となる \delta >0 が小さくなるということは, デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 x が a に近づくことを意味し,
|f(x) - f(a) | < \varepsilon となる \varepsilon >0 が小さくなるということは, f(x) が f(a) に近づくことを意味しますから,
「ラフ」に言うと

x が a に近づく \iff f(x) が f(a) に近づく

以上を踏まえて, \varepsilon\text\delta 論法の「お気持ち」をまとめると,以下のようになります。

\varepsilon\text\delta 論法は,「 x が a に近づくと, f(デルタ関数とその性質 x) が f(a) に近づく」ことを意味する!

これは高校のときにやった,「感覚的な極限の定義」に一致していますね。これが \varepsilon\text\delta 論法の意味の部分です。

具体例を用いて理解しよう

例題

\displaystyle \color \lim_ x^4 = 0 を証明せよ。

y=x^4 のグラフ

まずテキトーな ε を取って考えてみよう

\varepsilon \text \delta 論法を用いて,示すべきことを表現すると以下のようになります。

示すべきこと

任意の \varepsilon > 0 に対して,ある \delta> 0 が存在して,

実際に証明する前に,まずテキトーな \varepsilon > 0 を取って考えて,イメージをつけましょう。

まず, \color \varepsilon = 1 としましょう。たとえば, \color\delta デルタ関数とその性質 = 1 とすれば, |x|< \delta \implies |x^4| < \varepsilon. をみたしますね。
実際はもっと小さい \delta を取ることもできますが,「存在する」は一つでも取ればよいため,一つだけ具体例を示せばよいです。

\varepsilon をもっと小さく取ってみましょう。 \color \varepsilon = 0.0001 とすると, \color \delta = 0.1 とすればOKです。 \color \varepsilon=0.00000001 とすると, \color \delta=0.01 とすればよいことが分かるでしょう。

このように,どんな \varepsilon を取ってきても,それに応じて \delta を選ぶことができます。このことを実際に証明してみましょう。

厳密に証明してみよう

示すべきこと

任意の \varepsilon > 0 に対して,ある \delta> 0 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 が存在して,

証明

\varepsilon>0 を任意に取る。このとき, \color \delta = \sqrt[4] とすると,

証明終

任意に取った \varepsilon > 0 に対し,条件をみたす \delta > 0 が「存在する」ことが示せたため,終わりました。

「存在する」はどうやって示したかというと,実際に \delta = \min\ と取りました。
このように, 「存在する」を示すときは,実際に具体的に取って見せるとよいです。

なお,今回は \delta = \sqrt[4] としましたが,もちろん \delta = \min\ などでも良いです。

\delta の取り方は \varepsilon に依存して良い のでした。実際,依存していますね。

ε-δ論法の同値な表現

さて,ここで重要な補足をしておきましょう。 \varepsilon\text\delta 論法の定義は,時と場合によって書き方が変わることがあります。

命題( \varepsilon\textN 論法の同値な表現)

理屈は \varepsilon\text N 論法のときと同じのため,省略します。

\varepsilon \text\delta 論法はいろいろな形で登場するため,どの形で登場しても対応できるようにしましょう。

ε-δ論法の否定

\varepsilon\text\delta 論法について,その否定,すなわち「 \lim_ f(x) =b でない」を考えたいときもあるでしょう。これの定義とお気持ちを述べましょう。

注意ですが, 「 \lim_ f(x) =b でない」とは,他の値に収束していても良いですし,振動していても別に良いです。

否定の定義

否定を取るときのポイントは, 主張における全ての「任意の」と「存在する」を入れ替える ことです。上の 5. の否定を取ると考えるのが分かりやすいでしょう。

命題( \varepsilon\text\delta 論法の否定)

数列 f(x) が x デルタ関数とその性質 \to a のとき b に収束しないとは,
ある \varepsilon > 0 が存在して,任意の \delta>0 に対し,ある |x-a|

デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質
元の定義(上の5.を採用)否定の定義
任意の \varepsilon > 0 に対して, ある \varepsilon > 0 が存在して,
ある \delta > 0 が存在して, 任意の \delta> 0 に対して,
0<|x-a|<\delta をみたす任意の x に対してある 0<|x-a|<\delta をみたす x が存在して
|f(x) - b | < \varepsilon. |f(x) - b| \ge \varepsilon.

「任意の」と「ある~が存在して」が真逆になっており,最後の不等号の向きも逆になっていますね。

なお語順により, 否定の定義の3行目の x の取り方は, \varepsilon, \delta に依存して構いません。

否定のお気持ち

ε-δ論法の否定のお気持ちのイメージ

上は振動の例ですが,実際には「他の値に収束する」「 \pm\infty に発散する」という場合もあることに注意してください。

∞を含むε-δ論法の定義

さて,これまで扱ってきた定義は, a, b= \lim_ f(デルタ関数とその性質 x) がともに有限であるものでした。では,無限大やマイナス無限大に発散する場合の定義はどうなるのかについて,表にまとめておきましょう。

表現ε-δ論法による定義
\lim_ f(x) = b 任意の \varepsilon>0 に対して,ある \delta > 0 が存在して, 0 < |x-a| < \delta \implies |f(x) - b| < \varepsilon.
\lim_ f(x) = \infty 任意の K >0 に対して,ある \delta > 0 が存在して, 0 < |x-a| < \delta \implies f(x) >K.
\lim_ f(x) = -\infty 任意の K >0 に対して,ある \delta > 0 が存在して, 0 < |x-a| < \delta \implies f(x)
\lim_ f(x) = b 任意の \varepsilon>0 に対して,ある L > 0 が存在して, x > L \implies |f(x) - b| < \varepsilon.
\lim_ f(x) = b 任意の \varepsilon>0 に対して,ある L > 0 が存在して, x < -L \implies |f(x) - b| < \varepsilon.
\lim_ f(x) = \infty 任意の K>0 に対して,ある L > 0 が存在して, x > L \implies f(x) > K.
\lim_ デルタ関数とその性質 f(x) = -\infty 任意の K>0 に対して,ある L > 0 が存在して, x > L \implies f(x) < -K.
\lim_ f(x) = \infty 任意の K>0 に対して,ある L > 0 が存在して, x < - L \implies f(x) >K.
\lim_ f(デルタ関数とその性質 x) = -\infty 任意の K>0 に対して,ある L > 0 が存在して, x < - L \implies f(x) < -K.

\delta, \varepsilon は主に「微小量」を意味するため,「大きな変数」を意味する際には K, L, M, N,R などが用いられることが多いです。

\pm\infty を含む場合についての「お気持ち」の解説は行わないことにします。自分で理解してみましょう。数列の極限( \varepsilon\textN 論法)の方では無限大を含む場合についても扱っているため,そちらも参考になるかもしれません(→ イプシロンエヌ論法をわかりやすく丁寧に~数列の極限の定義~)。

左極限・右極限

左極限・右極限の定義

さて, x\to a と書いたときは, x < a と x>a の両側から近づけることを考えました。一方で,常に x< a をみたすように近づけることを x\to a- などとかき,これを左極限,逆に常に デルタ関数とその性質 x> a をみたすように近づけることを x \to a+ などとかき,これを右極限と言います。

これも \varepsilon \text \delta 論法を用いて定義しておきましょう。

定義(左極限・右極限)

f\colon \mathbb \to \mathbb, \, a\in \mathbb とする。このとき,

\lim_ f(x) = b, \quad f(x) \longrightarrow b \,\, (x\to a-)

任意の \boldsymbol 0> に対して,ある \boldsymbol < \delta >0> が存在して,

が成立することをいう。このときの b を x\to a - としたときの f の 極限 (left limit) という。

\lim_ f(x) = b, \quad f(x) \longrightarrow b \,\, (x\to a+)

任意の \boldsymbol 0> に対して,ある \boldsymbol < \delta >0> が存在して,

が成立することをいう。このときの デルタ関数とその性質 b を x\to a + としたときの f の 右極限 (right limit) という。

なお, \color x \to a- の部分は \color x\to a-0, \,\, x\uparrow a などと書かれることもあります。同様に, \color x\to a+ は, \color x\to a+0, \,\, x\downarrow a と書いても同じ意味です。

定義より「左極限かつ右極限をもつ デルタ関数とその性質 \implies 極限をもつ」 ことが従います。

左連続・右連続の定義

上記において, \lim_ f(x) = f(a) が成立するとき, f は a で 左連続 (left continuous) といい, \lim_ f(x) = f(a) が成立するとき, 右連続 (right continuous) といいます。

定義より,「左連続かつ右連続 \implies 連続」 であることが従います。

関数の極限の性質

定理(関数の極限の性質)

以下, f , g デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 \colon \mathbb \to \mathbb とし, a\in [-\infty,\infty],\, b, b_1, b_2 \in \mathbb とする。このとき,

超関数の定義

compactsmooth.png

滑らかで台がコンパクトな関数とは例えば下図のような関数のことをいいます。

まず、定義域が$\mathbb^n$全体で連続な関数$f(x_1, \ldots, x_n)$を考えましょう。その$f$が滑らかであるというのは、どの変数でも何回でも微分できて、その微分した結果がまた$\mathbb^n$全体で連続になるような関数のことを言います。

また、関数$f(x_1, \ldots, x_n)$の台がコンパクトであるとは、何なのかを説明するために、まずは関数の台という言葉を説明しましょう。関数$f$の台とはその関数が$0$でないような$(x_1, \ldots, x_n)$全体のことを言います。英語ではsupport(サポート)といいますが、イメージとしては関数をサポートしているような部分です。

その台がコンパクトとはどういうことでしょう。$\mathbb^n$の中の集合がコンパクトであるとは、その集合が有界な閉集合であることと同じです 2 。 要するに、大きさが有限で境界も含んでいるような集合だということです。

以上をまとめると、滑らかで台がコンパクトな関数とは、何回でもどの変数でも微分した結果が連続になって、その関数の値が$0$以外の値を取る場所が無限に広がっていないような関数のことを言います。そのような関数全体のことを「滑らかで台がコンパクトな関数全体」として$\mathcal$と表します。

数学的には次のように表現します。$\mathrm \$を$f$の台、$\alpha = (\alpha_1, \ldots, \alpha_n) \in (\mathrm_<\ge 0>)^n$を多重指数としたとき、$\partial^f$を$f$の$\alpha$階微分とすれば 3 、

「滑らかで台がコンパクトな関数全体」の位相

まず、滑らかで台がコンパクトな関数全体$\mathcal$はベクトル空間になるということを抑えときましょう。これはどういうことかというと、滑らかで台がコンパクトな関数同士を足し合わせたり、何か実数を掛けたりしても、再び滑らかで台がコンパクトな関数になるということです。

また、次の小節で「連続」という概念を考えていく上で、$\mathcal$に「位相を入れる」必要があります。「位相を入れる」とはどういうことかというと、「滑らかで台がコンパクトな関数の」に対して、その極限を定義することを意味します 4 。(位相を考える重要性はこの脚注に書いてあります。)

連続な線形汎関数

まずは、「超関数論」に絞って線形汎関数というものを定義していきましょう。一般に汎関数とは「関数」を複素数に写す写像のことを言います。よって、$\mathcal$から複素数全体$\mathbb$への写像$T: \mathcal \to \mathbb$が線形汎関数とはこの写像が線形な写像であれば良いということです。つまり、$f$と$g$が両方とも滑らかで台がコンパクトな関数だとして、$\lambda_1$と$\lambda_2$を複素数としたときに、

この線形汎関数が連続であるということは、普通の関数の連続と同じようにして、$f_n$が$f$が上の小節で定義したような$\mathcal$における収束の仕方で収束したときに、$T(f_n)$が$T(f)$に収束することとしましょう。すなわち、

つまり超関数とは$\mathcal$上の連続な線形汎関数$T: \mathcal \to \mathbb$のことをいいます。また、上では$f$における超関数$T$の値を$T(f)$と書きましたが、これからは$\langle T, f \rangle$と書くことにします。左に超関数を置いて、右に滑らかで台がコンパクトな関数を起きます。

超関数の直感的理解(おまけ)

dist.png

超関数の例

局所可積分関数

さて、$f$を$\mathbb^n$上の局所可積分関数としたとき、これを超関数として見る方法があります。$\varphi$を$\mathbb^n$上の滑らかで台がコンパクトな関数として、以下のように超関数$T_f$を定義しましょう。 $$\langle T_f, \varphi \rangle := \int_<\mathbb^n>f(x)\varphi(x)dx.$$

デルタ関数

さて冒頭にて紹介したデルタ関数を超関数として厳密に定義しましょう。デルタ関数とは以下のように定義する超関数です。$$\langle \delta, \varphi \rangle := \varphi(0)$$

ここでは一切積分が出てきていません。そうです、超関数とはあくまでもテスト関数一つ一つに対して複素数をあてがうものなので、積分による定義をする必要はないのです。ただ、形式的に 6 積分の記号を用いて下のように表すことがあります。
$$\langle \delta, \varphi \rangle = \int_<-\infty>^\infty \delta(x)\varphi(x)dx = \varphi(0)$$

超関数の微分

超関数はなんと微分できます。例えば、1階微分可能で1階導関数も連続であるような関数$f: \mathbb \to \mathbb$を考えましょう。これは局所化積分関数であるので、上の例で見たように超関数$T_f$として見なすこともできます。この超関数を$x$に関して微分してみましょう。

上の考察では$f$が微分可能であるからできた考察でした。しかし、数学はときに大胆です。上の式変形は一切忘れてしまい、計算結果だけを見て超関数の微分を下のように定義してしまおうというのです。つまり、超関数の微分の定義を$$\langle \frac, \varphi \rangle := -\langle H, \frac\rangle$$としてしまおうというのです。マイナスを出して、微分をテスト関数側に押し付けるのです。こうすることでデルタ関数の微分なんかもできたりします。$$\langle \frac, デルタ関数とその性質 \varphi \rangle = -\langle \delta, \frac \rangle = -\frac(0)$$といった具合です。

また、テスト関数の定義された空間の次元によっては超関数の偏微分もできますし、微分を何回も繰り返せば、超関数の高階微分もできます。これは次のようにすればよいのです。$$\langle \partial^\alpha T, \varphi \rangle = (-1)^<|\alpha|>\langle T, \partial^\alpha \varphi \rangle $$

発展的な話

超関数全体に対する位相

超関数列$\$を考えましょう。この列が超関数$T$に収束するとは、任意のテスト関数$\varphi$に対して、$$\langle T_n, \varphi \rangle \to \langle T, \varphi \rangle \ \mathrm \ \mathbb$$が成り立つことを言います。一般に位相の入れ方は沢山ありますが、このような位相のことを弱-*位相(じゃくすたーいそう)と呼びます。 7

別の「超関数」

本記事では超関数を滑らかで台がコンパクトな集合全体$\mathcal$上の連続な線形汎関数と定義しました。ですが、実はこのテスト関数の空間を色々と取り替えることで別の「超関数」を考えることができます。例えば、急減少関数という関数全体をテスト関数の空間として取れば、緩増加超関数として捉えることができます。他にも$L^p$空間をテスト関数として捉えれば$\frac

+ \frac = 1$を見たす$L^$空間の要素が「超関数」となったりします。 8

「連続」という概念を考える上で位相を入れる必要を軽く説明します。例えば普通の関数$f: \mathbb \to \mathbb$が$x \in \mathbb$において連続であるかどうかを確認したいなら、$x_n \to x$となる数列$\$を考えて$f(x_n) \to f(x)$であることを確認すればよいです。このようにして、定義域である$\mathbb$と値域である$\mathbb$に関して極限を考える必要、すなわち「位相が入っている」必要があるのです。当然、$\mathbb$には我々が普通に扱っているような「位相が入っている」わけですが、これから考えたいのは「関数全体」の位相です。「何が何にどうやったら収束するのか」という条件を考えないといけないのです。 ↩

$\Omega \subset \mathbb^n$上の連続関数の列$f_n$が$f$に収束するとは$$\sup_|f_n(x) - f(x)| \to 0, \quad (n \to \infty)$$が成り立つときを言います。特に$\Omega$がコンパクトな集合、すなわち有界な閉集合な場合は、$f_n$は$f$に一様収束するという旨い性質があります。 ↩

    デルタ関数とその性質
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ベータ関数・ガンマ関数・ゼータ関数・イータ関数
(β関数・Γ関数・ζ関数・η関数)

最初に、積分:

を考える。次に、

という積分を考える。積の微分公式より、部分積分の式:

が得られるので、これを用いて、 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質

と次々に、計算出来る。

以上より、

であるから、これを繰り返すと、

が示せる。ここで、a=1のとき、

となるので、

と置く。これをガンマ関数(Γ関数)と呼ぶ。

即ち、ガンマ関数は階乗の拡張であるとみなすことができる。
但し、xは自然数のみならず、
実数・複素数の領域まで拡張することが出来る。
この定義より明らかに、ガンマ関数は、
Γ(x+1)=xΓ(x)
を満たす。特に自然数nに対して、
Γ(n)=(n-1) !
⇔Γ(n+1)=n !
が成り立つ。但し、左辺と右辺で変数が1だけずれていることには注意を要する。
また、変数を複素数の領域まで拡張することが出来ることを強調する意味で、

と書くこともある。

これをグラフ作成ツール「gnuplot」を用いて、グラフ化する。
「gnuplot」を起動して、以下のコマンドを入力し、グラフを生成する。
但し、標本点の数は、各自の必要に応じて変更しても構わない。
(勿論、出力先のディレクトリは、各自の環境に応じて適宜変更する。)
この方法により生成したグラフを以下に示す。

ベータ関数

多くのテキストでは、一般的に

をベータ関数の定義としているようである(定義1)。ここで、

と置くと、

t 0→1
x ∞→0

と置き換えられるので、

と変形出来る。テキストの中には、

をベータ関数の定義としているものもある(定義2)。

また、定義1で

t ≡ cos 2 θ
1-t=sin 2 θ
dt=-2sinθcosθ
デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 と置くと、
t 0→1
θ π/2→0

と置き換えられるので、

と変形出来る。従って、ベータ関数は

と定義することも出来る(定義3)。

ところで、定義1において、

t ≡ 1-s
1-ts
dt=-ds
と置くと、
t 0→1
s 1→0
デルタ関数とその性質
と置き換えられるので、

であるから、

が成立し、pqが可換であることが分かる。

ベータ関数とガンマ関数の関係

ガンマ関数:

において、
tu 2 ⇔dt=2du
と置くと、

と表せる。この表現形式を用いて、

を考え、両者の積をとると、

ここで、

と変数変換すると、ヤコビアンは、

であるから、
dudvrdr
となるので、rθを分離すると、
θに関する積分は、ベータ関数の定義3に他ならないから、

の様に変形出来る。従って、ベータ関数とガンマ関数の間には、関係式:

が成立する。

ゼータ関数―自然数の逆数の冪乗和―

まず、「自然数の逆数の冪乗和」を総和記号を用いて表した無限級数:

を関数として定義する。これをゼータ関数(ζ 関数)と呼ぶ。
ゼータ関数の発見者はオイラーだが、
リーマンが変数sを複素数にまで拡張したので、
リーマンのゼータ関数(Riemann zeta function)とも呼ばれる。

また、オイラーはゼータ関数と素数の関係を総積記号を用いて、

と表せることを示した。これは自然数の素因数分解の一意性による。
何故なら、総積記号の中身をテイラー展開すると、
これは無限等比級数の和の逆に他ならないから、

であり、従って右辺は

と書き直せる。ここで例えば、s=1の場合を考えると、

という項は、最初の括弧からは第4項を、2番目の括弧からは第3項を、
3番目の括弧からは第2項を選び、その他の括弧からは全部1を選んで掛ければよい。

sinc関数とゼータ関数の特殊値

正弦関数sin x及び、xπxに置き換えた、 sin πxも、ゼータ関数と同様に、
「マクローリン展開」の記事で述べたように、総和記号で表すことも、
「無限乗積展開と部分分数展開」の記事で述べたように、 総積記号で表すこともできる。

sinc関数は、カーディナル・サイン(cardinal sine)とも呼ばれ、
正弦関数をその変数で割って得られる関数であるが、次の2種類の定義を持つ。

※前者の様に、sin xxで割った場合(定義1)と、
後者の様に、sin πxπxで割った場合(定義2)があり、
定義1のsinc関数は、おそらく、高等学校の数学の極限の単元で
初めて登場するが、主に純粋数学で用いられる。
定義2のsinc関数は、主に、物理数学や情報数学で用いられ、ウェーブレット変換や、
ファインマン経路積分、モンゴメリー・オドリズコ予想等に登場する。

ゼータ関数ζ(s)において、特に、s=2の場合、即ち、ζ(2)は、
特に、「バーゼル問題」と呼ばれ、無限大に発散するのか、収束するのか、
収束するとすれば、その値はいくつになるのかという問題として提起された。
この問題を解いたのは、オイラーだが、その解法は、上記の正弦関数が、
総和記号と総積記号の両方で表せることを用いて、係数比較する方法だった。
勿論、sin xでも、sin πxでも、sinc xでも導出可能だが、
ここでは、最も簡単なsin xで解いてみることにする。
まず、x 3 の項に関して係数比較すると、

となり、ζ(2)の特殊値が、π 2 /6であることが分かる。

このζ(2)を二乗し、その際、総和記号のダミー変数を敢えて、mnの2種類の積とすると、
mn」の場合と、「mn」の場合の和として書ける。
mn」の場合は、s=4の場合、即ち、ζ(4)の特殊値に他ならない。
さらに、「mn」の場合は、「mn」の場合と「m>n」の場合に分けられ、 デルタ関数とその性質
しかも、両者は、対称性により、同値であるから、どちらか一方の2倍として計算できる。

続いて、x 5 の項に関しても同様に、係数比較すると、

と計算できるが、これと先程の計算結果を踏まえて、

という結果を得る。従って、ζ(4)の特殊値が、π 4 /90であることも示された。

または、やや技巧的な方法になるが、別解として、
上述のsinc関数(ここでは、定義1の方を用いる)を用いた導出方法も示す。
a 4 -b 4 =(a 2 +b 2 )(a 2 -b 2 ) =(aib)(aib)(ab)(ab)
からのアナロジー(類推)により、sinc デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 xとsinc ixの積を考え、
テイラー展開(マクローリン展開)による、総和記号を用いた表示:

と、無限乗積展開による、総積記号を用いた表示:

の2通りの表現を恒等式で結び、係数を比較すると、

となって、やはり、ζ(4)の特殊値が、π 4 /90であることが導出できる。
おそらく、こちらの別解の方が、煩雑ではない為、エレガントな解答に見えるだろう。

また、ゼータ関数ζ(s)のs=1の場合の特殊値、即ち、ζ(1)は、
「無限等比級数の和とテイラー展開」の f(x)=ln(1-x)の記事より、
正の無限大に発散することが分かる。他にも、ゼータ関数の変数sが正の偶数の場合は、
フーリエ級数展開やパーセバルの等式、或いは、ベルヌーイ数により、
その特殊値が求められることが分かっている。
例えば、s=1、2、4、6、8の場合の特殊値、
即ち、ζ(1)、ζ(2)、ζ(4)デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 、ζ(6)、ζ(8)は次のようにまとめられる。

これらの導出過程は、
「フーリエ級数展開とパーセバルの等式によるゼータ関数等の特殊値の導出」や
「ベルヌーイ数の応用―ゼータ関数―」の記事を参照のこと。

ゼータ関数とガンマ関数の関係

ゼータ関数とガンマ関数の変数をともにsとして、両者の積を考える。

ここで、

tnx
dtndx
と置くと、

と変形出来る。ここで、無限等比級数の和を考えて、

と書き直す。なお、最後の変形は分母分子にそれぞれ、e x を掛けた。
これを代入して、最終的に

の形を得る。ここで、最後に両辺をΓ(s)で割れば、

の様に、ゼータ関数をガンマ関数を用いて定義することが出来る。

この表示形式を用いれば、

が得られる。
※Γ(デルタ関数とその性質 2)ζ(2)は、ボース・アインシュタイン分布関数を積分する際に使う。
※Γ(4)ζ(4)は、黒体輻射のプランクの式から、
ステファン・ボルツマンの法則を導出する際に使う。

イータ関数―ゼータ関数の交代級数版―

ゼータ関数は、自然数の逆数の冪乗和であるが、これに対応する形で、
次の様にその偶数項の符号を負にした交代級数η(s):

を定義する。これをイータ関数(η 関数)、より正確には、
ディリクレのイータ関数(Dirichlet eta function)と呼ぶ。
イータ関数とゼータ関数の間には、

という関係があることが分かるので、この関係式:

を用いて計算すれば、

が得られる。これとは逆に、イータ関数の値が分かっていれば、
それを用いて、ゼータ関数の値を計算することが出来る。
これは、特に負ゼータ関数ζ(1-s)の特殊値を計算する際に重要となる。

また、イータ関数η(s)のs=1の場合の特殊値、即ち、η(デルタ関数とその性質 1)は、
「無限等比級数の和とテイラー展開」の f(x)=ln(1+x)の
記事より、ln2に収束することが分かる。
※この級数η(1)は、メルカトル級数と呼ばれている。
このことと、先程の結果を合わせれば、s=1、2、4、6、8の場合の特殊値、
即ち、η(1)、η(2)、η(4)、η(6)、η(8)は次のようにまとめられる。

イータ関数とガンマ関数の関係

ゼータ関数とガンマ関数の関係を計算したときと同様に、
イータ関数とガンマ関数の変数をともにsとして、両者の積を考える。

ここで、

tnx
dtndx
と置くと、

と変形出来る。ここで、無限等比級数の和を考えて、

と書き直す。なお、最後の変形は分母分子にそれぞれ、e x を掛けた。
これを代入して、最終的に

の形を得る。ここで、最後に両辺をΓ(s)で割れば、

の様に、イータ関数もガンマ関数を用いて定義することが出来る。

または、やや技巧的な方法になるが、既にある、
「ゼータ関数とガンマ関数の関係」と、イータ関数をゼータ関数を用いて
表した式を組み合わせる為に、以下の様な計算を行う。

において、

と置くと、

と変形出来る。変数xyに変わっただけなので、

と変数をyからxに戻すことが出来て、

と計算出来る。ここで、最後に両辺をガンマ関数で割れば、
先程のイータ関数の積分表示を得る。

この表示形式を用いて、イータ関数の値を代入すれば、

が得られる。
※Γ(2)η(2)は、フェルミ・ディラック分布関数を積分する際に使う。

負ゼータ関数ζ(1-s)デルタ関数とその性質 の特殊値

まず、初項a,公比rの無限等比級数を考えると、その和Sは、

で表されるが、ここで、a=1,rxとして、S0

及び、そのn階微分:

を定義する。n=1,2,3の場合を計算すると、

を得る。同様に右辺も計算すると、

次に、S2は、これを2で割ってから、(1+x)を掛ける。
続いて、S3も同様に、 3!で割ってから、(1+4xx 2 )を掛ける。
次にここまでで導出したものをまとめておく。

勿論この際、公比xは、前提条件:|x| < 1を満たさなければならないのだが、
ここでは、敢えて自らその禁を破ってx=-1を代入してみる。すると、

の様に、イータ関数を用いて表すことが出来る。
従って、イータ関数とゼータ関数の関係より、
負ゼータ関数ζ(1-s)の特殊値:

が得られる。
ζ(-1)は、弦理論において、光子の場合の弦全体のエネルギーから、
宇宙空間が何次元であるかを計算する際、繰り込みの計算に使う。
ζ(-3)は、カシミール効果において、繰り込みの計算をする際に使う。

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