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リスク説明

リスク説明
図3:変数クエストによるインターネット調査の結果分析:AI利用者を類型化し、それぞれの不安に応じた対応可能性を示した

多様性あるAI活用のための課題とは?
東京大学×NECが文理融合で考えるAIの社会実装

図1:NECアカデミー for AIと連携した実践的WS

図1:NECアカデミー リスク説明 for AIと連携した実践的WS: 多様なステークホルダーを巻き込んだリスクシナリオの議論が重要であることを、参加者とともに確認した

AIの受容性調査から見えたリテラシーや属性による差異

つづく講演では東京大学大学院 法学政治学研究科附属 ビジネススロー・比較法制研究センター 特任講師 小川 亮氏から「遠隔・生体・認証に対する市民の評価軸」と題した報告が行われた。テーマは「AIサービスにおける責任分担」だ。小川氏はこのテーマを考えるにあたって、まずは法規制の考え方を検討する必要があると述べる。

「一つ目としては、AIシステムの概要説明を受けた後の方が不安は減るということです。一方で、AIシステムへの認知度が高い層は、受容も不安もともに大きいという結果も得られました。これは顕著性の問題や高いリテラシーの結果ではないかと考えています。
二つ目としては、不安の声は相対的に少ないという点です。法規制を求める人も半数未満ということで、市民の声を理由に法規制を要求してもあまり強い根拠にならないということがわかりました。
また、三つ目としては、公的部門、法執行に対する信頼感が高いという点です。逆に、私企業のAIシステム利用に対しては非常に警戒的です。これはEUとは対照的な結果で、公法学の基本的な姿勢とも異なります。なぜそうなったのか、公法学の知見からの検討が重要になると考えています。
最後に四つ目としては、原則的に自分にとって直接的に利益や不利益になりそうなことを気にする傾向にあるという点です。例えば、生体情報を取られること自体に対する嫌悪よりも、その結果として誤認識や目的外利用で不利益を被ることを嫌うということです。そのため、EUのように技術そのものにフォーカスして規制するべき理由は、市民の感覚からは遠いだろうと感じました。むしろ技術の使われ方に対する規制が必要になりそうです。」

同様に市民への調査を実施したのは、次の講演で登壇した東京大学大学院 工学系研究科システム創成学 専攻講師 早矢仕氏だ。早矢仕氏はまだデータ化・可視化されていない膨大なデータ「未踏データ」がデータ化された社会「Society5.0+i」を提唱する研究者だ。昨年のシンポジウムでも講演し、独自のアプローチから利用者の潜在的な社会の要求を掘り出した。今回も同様の手法を使って、AI製品利用に関する受容性を調査した。

図3:変数クエストによるインターネット調査の結果分析

図3:変数クエストによるインターネット調査の結果分析:AI利用者を類型化し、それぞれの不安に応じた対応可能性を示した

多様な人々が平等にAIを享受できる社会のために

3者の研究報告を終えると、パネルディスカッションへと移行した。司会を務めた東京大学未来ビジョン研究センター センター長 教授の城山英明氏はまず、小川氏と早矢仕氏の調査内容を受けて「AIへの理解度や開発者/利用者などのセグメンテーションをどうつくるかで、レスポンスや重要度が変わる」と指摘し、今後のステップや両者の接点として面白い点になるのではないかと見解を述べた。

その一方で、東京大学大学院 法学政治学研究科 教授の宍戸常寿氏は懸念も提示する。

「提供者や利用者のセグメントは、重要な論点だと思います。セグメントを考える上でも重要になる手段として、スタンフォード大学のラリー・ライファ(Larry Leifer)教授が提起されていた「Why」というクエスチョンがあります。先ほど江間先生からAI利用原則を考えるうえで「How」「What」「Who」という視点の重要性をご提起いただきましたが、もう一つ「Why」というものを提示させていただきたい。「なぜAIを使うのか」ということですね。実は、この質問に答えられる企業や人は、なかなかいません。
そもそも、AIに対する正しい理解というものが世の中に存在しないという問題があります。AIはまだ完成していない技術だからです。多くの人は機械学習がAIだと思っていたり、私のように30年AIを研究している人間は、AIを原理的には物事を説明するための道具だと考えていたりするわけです。AI技術自体も高度化するなかで、AIに対する理解も多次元化してきています。こうした点から格差が生じている。そういう意味でも『なぜAIを使うか』ということを全員が答えられるような組織をつくることが、一つの解決になるかもしれません。なかなか難しい問題ですが、これから考えていこうとしている課題です。」

本プロジェクトの主催者であるNEC グローバルイノベーション戦略本部 本部長 菅原 弘人は「本講演で得た気づきを事業会社として活かしていきたい」と述べてシンポジウムを締めくくった。

図4:パネルディスカッション

図4:パネルディスカッション(上段左から:城山英明教授、大澤幸生教授、宍戸常寿教授、中段左から、小川亮特任講師、江間有沙准教授、早矢仕晃章講師、下段:菅原弘人本部長)

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